(BGM:田舎小径)
「ほら、そんなにヘソ曲げないの」
「好了,別鬧彆扭了。」
「曲がりまくりです」
「就要鬧彆扭。」

「さっきの人はとても失礼です」
「剛才那個人太失禮了。」
「風子、小学生じゃないです」
「風子才不是小學生。」

「ふぅちゃん、体小さいから、間違えられても仕方がないよ」
「小風身體很嬌小,被誤會也是沒辦法的事情呀。」
「体が小さくても、大人の風格で気づいてほしいです」
「即使身體很嬌小,也希望他能發覺我作為大人的風度。」
「ふぅちゃん、自分が思ってる以上に大人の風格ないよ?」
「小風,你可是比自己想像得更沒有大人的風度喔?」
「今の言葉、胸に突き刺さりました」
「剛才那句話,刺痛我的心了。」
「風子、傷つきました」
「風子,受到傷害。」
「もう、傷モノです」
「已經千瘡百孔了。」
「ヘンな言葉、使わないの」
「不要說奇怪的話。」
「風子、大人です」
「風子已經是大人了。」
「あ、それじゃない? 自分のことを風子って言うのが、子供っぽく思われる原因なの」
「啊,就是那個原因吧?你稱呼自己是風子,大概就是你被當成小孩子的原因。」
「なんて言えばいいですか」
「那該怎麼說呢?」
「アタイ、ですか」
「是『偶』嗎?」
「ねぇ、アタイ、もう十分大人なんだよ…ですか」
「喂,偶已經夠成熟了…嗎?」
「エッチですっ」
「好變態喔。」
「自分で言って、自分で突っ込まないの」
「不要自己吐自己的槽。」
「普通に、わたし、でいいと思うよ?」
「很普通地說『我』就可以了?」
「わたし、ですか」
「是『我』嗎?」
「ねぇ、わたし、もう十分大人なんだよ…ですか」
「喂,我已經夠成熟了…嗎?」
「エッチですっ」
「好變態喔。」
「そのセリフだと、どう言ったって、エッチだと思うよ」
「那句話不管怎麼說,聽起來都會很變態的。」
「風子、お腹がすきました…」
「風子肚子餓了…」
「もう、諦めたんだね…」
「已經放棄了啊…」
「ファミリーレストランに行きたいです」
「想去家庭餐廳。」
「うん、検査終わってから、いこうね」
「嗯,做完檢查就去。」
「もう、風子、体、どこも悪くないです」
「風子的身體已經沒問題了。」
「なので、今から行きます」
「所以,現在就去吧。」
「ダメっ」
「不行。」
「早くいかないと、ハンバーグがなくなってしまいますっ」
「再不快點去漢堡就沒了。」
「たくさんあるから、大丈夫」
「漢堡有很多的,不用擔心。」
「一週間前からみんながハンバーグを頼み続けていたら、なくなりますっ」
「要是大家從一週前就開始買漢堡的話,就會賣完的。」
「そんな偶然ないから、大丈夫」
「放心,才不會那麼巧呢。」
「そう言って、風子に検査を受けさせるつもりですっ」
「想用這些藉口來讓風子接受檢查嗎?」
「ふぅちゃんが、そう言って、逃げようとしてるだけじゃない」
「小風才是在找那些藉口來逃避檢查吧。」
「そうともいいます」
「也可以這麼說。」
「そうとしか言えないの」
「只能這麼說。」
「なかなか手厳しいです」
「真是難對付啊。」
「さすが、おねぇちゃんです」
「不愧是姊姊。」
「もう、ふぅちゃん…わけわかんないこと言って、あんまりお姉ちゃんを困らせないで」
「真是的,小風…別老是說些莫名其妙的話來讓姊姊為難好嗎?」
「時に風子のクレバーさは、人を傷つけてしまうそうです」
「有時候風子的聰明才智是會讓人受傷的。」
「言ってるそばから、わけわかんないこと言わないの」
「不要在我的話剛說完的時候就說出那些莫名其妙的話來。」
「ほら、もう、病院、すぐそこだよ?」
「好了,醫院就快到了喔?」
「ハンバーグがなくなってたら、お姉ちゃんが、作るから」
「如果漢堡賣完了,姊姊還是可以做給你吃的。」
「冷めない鉄製のお皿で出てきますか」
「會用能保溫的鐵盤子裝嗎?」
「出します、出します」
「會的,會的。」
「なら、仕方がないです…」
「那,我就勉強接受吧…」
「それにね、体が悪くなくても、健康かどうかをちゃんと定期的に調べないと」
「而且,就算身體沒有不舒服,健康檢查也是得定期進行的。」
「健康だって言われたら、安心して過ごせるでしょ?」
「知道自己是健康的,才能安心地生活,不是嗎?」
「風子が健康だって言われたら、お姉ちゃんも、安心できるから」
「只要知道風子很健康,姊姊就很安心了。」
「ね?」
「對吧?」
「………」
「………」
「風子…心配かけてますか」
「風子…讓你擔心了嗎?」
「え? ううん、そんなにはかけてないよ」
「咦?不,沒這回事喔。」
「全身解剖して、安心してくださいっ」
「會把全身都解剖來檢查的,請安心吧。」
「また、わけわからないこと言わないの」
「又在說莫名其妙的話了。」
「定期的に検査受けてくれるだけで、お姉ちゃんは安心」
「只要你肯接受定期檢查,姊姊就安心了。」
「そうですか…」
「是嗎…」
「では、早く行きます」
「那就快點去吧。」
「おねぇちゃん、歩くの遅いです」
「姊姊走太慢了。」
「ちゃっちゃと行きましょう」
「快點走吧。」
「ほんと、この子は、もう…」
「唉,這孩子,真是的…」

どすんっ。
咚。
「って、言ってるそばから、立ち止まらないで、ふぅちゃんっ」
「別剛說完就停下來啊,小風。」
「………」
「………」
「ふぅちゃん、今度は何?」
「小風,這次又怎麼了?」
「匂いがします」
「有種味道。」
「ハンバーグの?」
「漢堡的?」
「おねぇちゃんと一緒にしないでくださいっ」
「別把風子想得跟姊姊一樣。」
「今の、必死にふぅちゃんに合わせてみたんだけど」
「剛才只是想附和一下小風的想法而已。」
「失礼です。もう一度言い直すので、なんの匂いか訊いてください」
「真是失禮,請再問我一次,這是什麼味道。」
「はいはい」
「是、是。」
「匂いがします」
「有種味道。」
「なんの?」
「什麼味道?」
「この匂いは…そう」
「這個味道…沒錯。」
「…可愛い匂いです」
「…是可愛的味道。」
「それ、答えになってないよ?」
「這不能算是回答吧?」
「ニュアンスでわかってほしかったです」
「真希望你能了解其中奧妙。」
「なぞなぞ?」
「猜謎嗎?」
「失礼です。アートです」
「真失禮,是藝術。」
「また、わけわかんないこと言ってる。ふぅちゃん、自覚ある?」
「又在說莫名其妙的話了,小風,你都沒有自覺嗎?」
「おねぇちゃんは、学校の先生だったから現実的すぎるんです」
「姊姊是學校的老師,所以太現實了。」
「お姉ちゃんは、美術の先生だったの。アート。わかる?」
「姊姊曾經是美術老師,這是藝術,知道嗎?」
「なら、風子の言うこと、とらえてください」
「那麼,把風子說的話好好品味一下。」
「とらえどころがないです」
「沒有可以品味的地方呀。」
「そうですか」
「是嗎?」
「なら、現実至上主義のおねぇちゃんにわかりやすく言います」
「那麼,為了讓現實至上主義的姊姊容易理解,我就說明一下吧。」
「そうしてもらえると、助かります」
「你能這麼做還真是幫了大忙呢。」
「助けましょう」
「就幫幫你吧。」
「では、もう一度言うので、なんの匂いか訊いてください」
「那我就再問一次,問我這是什麼味道。」
「はいはい」
「好、好。」
「誰かがいます」
「有什麼人在那裡。」
「え?」
「咦?」
「え?じゃないです」
「不是『咦』。」
「質問変わってるよ? 今の質問に、なんの匂いか訊くの?」
「問題怎麼變了,不是要問那是什麼味道嗎?」
「そうです」
「是的。」
「それだとお姉ちゃん、ヘンな人だよ?」
「那樣的話姊姊可就變成怪人了喔?」
「大丈夫です。風子がフォローします」
「沒關係,風子會把話接下去的。」
「もう一度いきます」
「再問一次。」
「はい」
「好。」
「誰かがいます」
「有什麼人在那裡。」
「なんの匂い?」
「什麼味道?」
「きっと…風子に会いにきたんです」
「一定是…為了見風子而來的。」
「ぜんっぜん、フォローしてくれてないよね?」
「根本就不是在接我的話啊?」
「どうして、驚いてくれないんですか」
「為什麼沒有感到驚訝啊。」
「誰かが風子に会いにきたって言ってるんです」
「風子都說有人要來見風子了。」
「どうか、こんな子でも、たくさん友達ができますように…」
「請保佑這孩子能交到很多朋友…」
「もう一度いきます」
「再說一次。」
「お望み通りに」
「就如你所願吧。」
「誰かがいます」
「有什麼人在那裡。」
「なんの匂い?」
「什麼味道?」
「きっと…風子に会いにきたんです」
「一定是…為了見風子而來的。」
「えっ、どういうことですかっ」
「咦,是怎麼回事呀?」
「…可愛らしい匂いです」
「…有種可愛的味道。」
「もう文脈めちゃくちゃだよね」
「文法已經亂七八糟了。」
「そこで、眠っています」
「就睡在那裡。」
「誰かに起こされるのを待ってるんです」
「等著有人去叫醒她。」
「ですので…」
「所以…」
「いってきますっ」
「我要過去了。」
「えっ、ふぅちゃん、どこ行くのっ?」
「咦,小風,你要去哪裡?」
「おねぇちゃんも会いたかったら、早くきてください。あそこに生えてる木の下ですっ」
「姊姊也想見見的話,就快點過來吧,就在那邊的那棵樹下。」
「誰がいるのっ?」
「誰在那裡嗎?」
「わからないです」
「還不知道。」
「でも…」
「但是…」
「とても、可愛らしい子ですっ」
「是非常可愛的孩子。」
「ふぅちゃんってば」
「小風!」
「ふぅちゃーーーんっ」
「小───風!」
「ほんと、あの子は、もう…」
「唉,這孩子,真是的…」
[b] 「いますか」[/b]
[b] 「你在嗎?」[/b]
[b] 「風子です」[/b]
[b] 「是風子喔。」[/b]
[b] 「あなたのお名前はなんていうんですか」[/b]
[b] 「你叫什麼名字呢?」[/b]
[b] 「教えてください」[/b]
[b] 「請告訴我吧。」[/b]
[b] 「風子とお友達になって、一緒に遊びましょう」[/b]
[b] 「和風子成為朋友,一起來玩吧。」[/b]
[b] 「楽しいことは…」[/b]
[b] 「快樂的事情…」[/b]
[b] 「…これから始まりますよ」[/b]
[b] 「…現在就要開始了。」[/b]
